第2章 不覚
私が自室で寝ているとバタバタと足音が聞こえてきた
3人娘のきよ、すみ、なほ だ
「みずきさぁん!怪我されたと聞きましたー!」
「大丈夫ですかー」
「痛みますかー」
甲高い声で私は起こされる
もう少し寝かせてほしかったけど、身体を起こし大丈夫だよときよちゃんの頭を撫でる
すると安心したように3人が私の膝下に転がった
「よかったー」
「心配しましたー」
「みずきさんに何かあったらと思ったら」
「ごめんねぇ」
心配してくれた3人に微笑みかける
3人は嬉しそうに転がる
少し遅れてカナヲが襖をゆっくり開けて入ってくる
「カナヲ」
「みずきねぇさんが怪我したって」
「大丈夫よ」
カナヲは私を慕ってねぇさんと呼んでくれる
私の隣にちょこんと座るカナヲの頬を撫でてやるとくすぐったそうに目を閉じる
「少し油断をしたの」
「どんな鬼でも少しの油断が命取りです」
「そうね」
もっともな事を言われ頷いた
「今日は一日休むから後のことはお願いね」
「「「はい!」」」
きよ、すみ、なほは元気よく返事をした
「カナヲはまた任務があるの?」
「はい今夜隣町へと行きます」
「気をつけてね」
いつだって鬼はやってくる
人間は怪我をしたら治るまで時間がかかる
手足を無くせば元に戻ることはない
鬼はそんなこと知らずに私たちに向かってくる
「私ももっと鍛錬しなきゃ」