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想い人

第12章 弟


肌がぶつかり合う音が部屋に響く

「ッはぁ...ぁあ..ん」

口に手を当てていても漏れる声

不死川さんの律動が速くなる
それと共に込み上げる感覚

「ぁあッ...なん、か..きちゃぅッ」
「あぁ...はっ、俺も、もぅ」

不死川さんの手が私の手を強く握る
それを握り返すと私は微笑む

それを見て彼は最後に口付けをし欲を私の腹の上にぶちまけた

倒れ込む不死川さんの頭を優しく撫でる
ふわふわの髪は気持ちよくて何度も撫でた

「悪りぃ」
「なにがです?」

不死川さんは寝ながら顔を私に向ける

「無理矢理やっちまった」
「そんなこと、ないですよ」

彼が求めてくれることが嬉しかった
きっと弟のことで悩んでいたんだろう
どうしようもなく私のところに来てくれたのだと思った

「玄弥くんは、大丈夫です」
「...みずきも無理して強くならなくていい」
「無理なんてしてませんよ。私は自分自身で強くなりたいと思ってるだけです」
「俺が、守るから...」

不死川さんはそのまま寝てしまった

眠るその顔はどこか幼くて
私はそっと抱きしめた

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