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想い人

第12章 弟


不死川さんの稽古が終わった

次は悲鳴嶼さんの稽古があった
これがまた過酷なものだった

滝に打たれる毎日
最初は水になれるまで時間がかかった
それから丸太を担ぐ修行は私は全然できなかった

凹む私に玄弥くんが近づいてきた

「みずきさん」
「玄弥くん...」

不死川さんとの件から玄弥くんとは初めて会う

「あれから大丈夫だった?」
「あぁ...兄貴に会うなって言われてたから悲鳴嶼さんにも怒られました」
「...そっか」
「あの一つ聞きたいんすけど」

もじもじとする玄弥くん

「みずきさんってもしかして...兄貴の、」

これっすか?と小指を立てる

「え...!」

私は思わず顔を赤らめる

「...やっぱり」

玄弥くんは少しがっかりしてようなでも嬉しそうで複雑な表情をしていた

「俺、兄貴が幸せになってくれるなら嬉しいです」

玄弥くんは少し笑いながらそう言った

「玄弥くんは実弥さんのことが大好きなんだね」

私は微笑んだ
玄弥くんは頬を赤らめる
それが可愛くて私は玄弥くんの頭を撫でた

「実弥さんにもちゃんと伝わってるよ」
「そうですかね...」

私は立ち上がる

「よーし!頑張って丸太を担ぐぞぉ!」
「あ、あんまし無理しないほうが!」

玄弥くんは私を止めてくれた
もう10日もいるのに一向に担げない丸太



私はここで諦めて山を降りた


最後に冨岡さんとの稽古が待っている
久しく冨岡さんとは会っていない
彼の屋敷を目指すと炭治郎くんが歩いていた

「炭治郎くん、あの後大丈夫だった!?」
「大丈夫ですよ!」
「ごめんね、止められなくて」
「いいえ!みずきさんが叫んだ後不死川さんもピタッと止まりましたよ!」
「そうなの?」

二人で屋敷に着くとそこには不死川さんがいた
何してるんだろ
そう思った矢先二人は竹刀を振り始めた
ぶつかり合う竹刀
激しい攻防
私たちは必死に目で追った

すると竹刀は折れてしまい不死川さんが殴り合いをすると言い出した
それを炭治郎くんが止めに入る
慌てて私も間に入る

「実弥さん、また喧嘩ですか?」

ぷぅと膨れると不死川さんはバツが悪そうだ

「違ぇよ。柱は柱同士で稽古すんだ」
「それにしても殴り合いはないんじゃない?」
「っ、」
「高重...」
「あ、冨岡さんご無沙汰してます」



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