第11章 捧げる
私は暫く部屋から出れないでいた
しのぶ、気付いてた
は、恥ずかしい!!
頬に手を当て熱くなる顔をパタパタと煽いだ
「そろそろ行かなきゃね」
私は立ち上がり食堂へと向かった
不死川は一人夜道を帰る
「あ"ー胡蝶のやつ」
頭をガシガシと掻きむしる
「それにしてもあいつのあんな顔、初めて見たぜぇ」
誰も見ていないのに赤らむ顔を腕で隠したのだった
それから私たちは暫く会うことがなかった
私は昼の仕事と夜の任務で忙しくしており不死川邸に近付けないでいた
不死川さんも何やら忙しかったみたいで会いにくることはなかった
そんな日が続いたのに突然合同任務が言い渡されたのだ
「不死川さんと任務か」
あれ以来会っていないのでどこか気不味い
夕刻現場に行けばすでに不死川さんはそこにいた
私に気付いた不死川さん
もうすでにお仕事モードだ
ピリピリとした雰囲気が漂う
「今夜の鬼は女ばかり狙う鬼らしぃ」
「酷いっ」
「気をつけろよ」
「はい」
私たちは鬼の気配を探して森を歩く
この森が鬼の住処になっているという情報が入ったのだ
ガサッと草の音と共に近付く殺気
刀を構える
鬼の爪が刀とぶつかる
「ひひひ今日も女が食えるぞぉ」
気色悪い鬼の声
私がすかさず技を出せば鬼は距離を取る
感がいい鬼だ
「おい鬼ぃ!俺がいる事も忘れるなぁ」
不死川さんは鬼を挑発する
「男は黙って殺されろぉぉ」
鬼が不死川さんに向かって行く
風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ
鋭い風と共に鬼は首を落とした
私が死んだ鬼の確認に向かう
なかなか灰にならない
「高重っ!!」
するともう一体の鬼が上から降りてきて私を羽交い締めにする
「もう一体いたのね!」
「本体はこっちだぁ」
首を切った鬼が立ち上がり首を繋げる
「洒落臭ぇ!!」
不死川さんがもう一度技を出そうとすれば私を盾にする鬼
「糞野郎っっ!」
私は下半身を振り上げ鬼を地面に叩きつけた
「ったぁぁ!」
解放された私は鬼にのしかかり刃を首に突きつける
それを見た不死川さんももう一体の鬼へと刃を向ける
そして私たちは同時に鬼の首を斬った