第11章 捧げる
「頭痛えだろ」
そう言って不死川さんは羽織を脱ぎ私の頭の下に敷いてくれる
障子を閉めて
二人だけの空間が出来上がった
覆い被さった不死川さんの胸元に置く手が震える
それに気付いた不死川さん
「本当にいいのか?」
私は小さく首を縦に振る
「今なら辞められるぜ」
「実弥さんの、好きなようにして...?」
「〜っ!そんな煽り方どこで覚えやがったぁ」
不死川さんからの激しくも優しい口付け
「出来るだけ優しくしてやるから」
そう言って私の浴衣の襟を肩まで下ろした
その時
「みずきー夕飯よぉ」
しのぶの声だ
中々夕飯に現れない私を心配してやってきたようだ
私たちは目を丸くさせバタバタと起き上がる
「開けますよー」
そう言って襖を開けられた時私たちは変な距離を取っていた
「あら不死川さん来ていらしたんですか?」
「ちょっと用があってなぁ」
私は乱れる髪を手櫛で解きながら背中を向ける
何かを察したしのぶ
「不死川さん」
「なんだ」
「傷つけたら許しませんからね」
「お、おぉ」
しのぶは部屋から去っていった
向き合う私たち
「今度泊まりに来い」
「そうします」
共同生活をしている私の部屋では難が多いようだ
不死川さんは最後に口付けをして帰っていった