第10章 想う
私たちは以前行ったお蕎麦屋さんに行くことにした
「お蕎麦ふたつ」
注文を終え他愛もない話をする
「それでね善逸くんに食事の約束を...」
と言ったところでやばいと思った
不死川さんの顔があきらかに不機嫌だ
「あ、余計なこと話しすぎたわね」
「なにがだぁ」
怒ってる...絶対怒ってる
「約束したのかよぉ」
「だって...あまりにも駄々をこねるから」
「おまえがそこまでしてやる必要ねぇだろ」
言われる通りである
何も言い返せない
「ごめんなさい」
「別に...そのへなちょこ隊士は俺がしめといてやる」
「えぇ!そんなことしたら...っ!」
善逸くん戦意喪失しちゃう!立ち直れなくなっちゃう!
「最近の隊士は甘ぇんだよ」
「でも必死に頑張っているわ」
「質が悪りぃんだぁ」
それは身体能力ずば抜けてる貴方と同じにしてもらっちゃ困る
蕎麦を豪快に啜る不死川さんは苛立っている
「私も鍛錬怠らないようにしなきゃね。柱になれないわ」
「!おまえ...柱になりてぇのか」
「強くなりたいのよ」
蕎麦を啜る手が止まる
どうしたのかしら
私また変なこと言ったのかしら
「どうしたの不死川さん」
「おまえは俺が守るって言ってんだろ」
「守られてばかりではいられないわ!私は強くなってたくさんの人を...不死川さんを守りたい」
「っ!」
私の強い意志を伝える
この前だって助けられたばかりだ
自分の力でどうにかできるようにならないと
人を助けるなんてできない