第1章 ※月夜の軌跡 9章
(なんだと?!いや、その気持ちは嬉しいが見せても大丈夫なのか?!何もかもが初めての少女に見せても大丈夫なのか?!)
脳内で杏寿郎が葛藤している間も、は手を離そうとはせず、柔い力で握りながら薄紅色に頬を染めて杏寿郎の瞳を見つめ返している。
「何も知らず杏寿郎君にはお手間をかけさせてしまいますが……それでも杏寿郎君にも気持ちよくなってほしいです。いけませんか?」
の潤んだ瞳に杏寿郎は弱い。
そもそも今日はの心や体を想って、出来る限り刺激を与えないようにと配慮していたのだ。
本人が先を望んでくれるならば、杏寿郎も素直に嬉しい。
「手間だなど思うはずがない。そうだな……では願っても構わないだろうか?初見では刺激が強いかもしれないので、直視はしなくていいからな……俺も脱ぐので手を離してもらっていいか?」
「え、あ、すみません!あの、私も脱いだ方がいいでしょうか?」
今のは左側だけはだけている状態だ。
出来るならば脱いでもらった方が杏寿郎の視覚的に嬉しいが、無理強いしては意味がない。
「恥ずかしいならばそのままでいい。徐々に慣れてくれれば俺は満足だ」