第14章 誰が2番?
「……すまない。だが君の無念は俺が必ず晴らしてやる!全力で闘うので見守ってくれ!」
「うぅ……かしこまりました。杏寿郎君の勇姿を見守っております。必ず元気に帰ってきてください」
なんと言うのだろうか……
鬼狩りで負傷したが戦闘不能になり、その仇を杏寿郎が返すようなやり取りになっているが、飽くまで鬼殺隊式柱相撲大会である。
大袈裟な遣り取りは芝居などではなく、本人たちは至って本気でしているのでこの場の全員……行司である行冥さえも呆然だ。
「……お前らなァ!いつまでやってんだァ?!相撲大会だぞ?!催しだぞ?!見てみろ、朱莉も……おォい、朱莉ちゃんー?」
「お父さん!お母さんのくやしい気持ち、ぜったいになかったことにしないでね!私もお父さんをおうえんしてる!お父さんがもどるまでお母さんは私がまもるから、心配しないで!」
酷い三文芝居に混ざるのは朱莉。
これを見るだけで普段の煉獄家の様子が伺える。
「お母さんの悔しい気持ちはお父さんが必ず晴らしてくる!朱莉はそれまでしっかりお母さんを」
「だぁぁあ!お前ら長ぇ!派手に長ぇわ!試合終わったならさっさと引けよ!次の試合出来ねぇだろうが!次は俺様と甘露寺の試合なんだよ!場所譲れ!」