第14章 誰が2番?
「うん!実弥お兄ちゃん、分かった!じゃあ……お父さんはここで、お母さんはここ!」
テンテンと指を指したのに印をつけて貰えたのは杏寿郎の分のみ。
その印を嬉々として付けているのは天元で、朱莉を含め杏寿郎とも首を傾げた。
「これでは俺とが初戦で戦うこともあるのではないか?今年初めて参加すると戦うのは気が引けるのだが!」
杏寿郎の言う通りは年に1回行っている相撲大会には初参加である。
昨年までは足元の覚束無い朱莉のそばに付き添うため、は皆が本気でぶつかり合う相撲大会を見学していただけである。
ちなみに初回に煉獄家の庭で行い1戦目から庭の荒れ方が酷かったので、2戦目からは杏寿郎の生家の近くの鍛錬場に場所を移し以降はそこで開催されている。
「いいじゃねぇか!姫さんは痣さえ出しゃあ俺さえも動かせるんだぜ?煉獄、気ぃ引き締めて行かねぇと朱莉の前で嫁に負けるかもよ?」
そう焚き付けられては杏寿郎も黙っていられないし、そもそも杏寿郎に負けると初めから思われていたも黙っちゃいられない。
「母として呆気なく杏寿郎君に負ける姿など見せられません!当たった時は全力で挑ませていただきます!」