第11章 お披露目
とて何度も家の中で受身を取っているわけではなく、天元に見られたことを除けば数回……
やはり不安しかない。
「ふむ、確かに何度も母に空中でクルクル回られては赤子が目を回してしまいそうだな!、家の中では縁などに気を付けなさい!あと……」
「ちゃん、産婆様とお医者様が到着されましたよ。演武もちゃんの診察が終わるまで中断されるようです。皆さん、診断結果が気になって仕方ないとのことで」
例に漏れずいつの間にやら目の前にしのぶ……だけでなく全元柱、お館様一家までもが集結していた。
継子たちや一般剣士たちはそんな元柱たちを呆然と眺めた後、慌ててこちらへ駆け寄ってきている。
「お館様方まで!しかし私事で大切な催しを止めるわけには……いえ!私も今日の演武を楽しみにしていたのですごく嬉しいです!早く診ていただき早く戻ってまいります!」
さすがに催しを中断しないで……と言いかけた時の皆の表情がとてつもなく悲しくなってしまい、は慌てて前言撤回。
杏寿郎の腕の中から勢いよくスクッと立ち上がり歩を進めようと足を踏み出した。
『急がなくていい!頼むから走らないで』
言葉遣いは様々であったが一斉にへこう言った内容の言葉が投げかけられ、冷や冷やと皆が見守る中はしのぶと杏寿郎に伴われて別室へと移動した。