第11章 お披露目
「いかん!それはいかんぞ!は明日から鍛錬も稽古も休みなさい!君の体はこれから刻々と変化していく!そんな時に無理に鍛錬や稽古を続けて体を壊してしまっては生きた心地がしないだろうからな!」
「杏寿郎君には笑顔でいていただきたいのでお約束します!ですが3年ほど鍛錬を欠かしたことがないので手持ち無沙汰になっちゃいますね。鍛錬や稽古の代わりとなるものを見つけなくてはいけません!」
このままでは1人で買い物へと赴いて大量の荷物を鍛錬代わりにと持ち運びかねない。
その姿を想像した杏寿郎はブルリと身体を震わせての体ごと自分へと向き直らせた。
「代わりとなるものなど考える必要はないぞ!体に負荷がかかることはしないでくれると助かる!体調がいい時に散歩をしたり、軽く体を動かすだけに止めること!いいな?!」
「は、はい!お買い物くらいはと思っていましたが……可能な限り赤ちゃんをいたわることに致します!鍛錬や稽古は産後からまた行えばいい……ですよね?」
日課だったとはいえにとっては幸せな日常の大切な時間であった。
朝起きて杏寿郎と共に朝餉を取り共に鍛錬を行ってから、門下生たちと賑やかに稽古を行う時間は長年望んでいた幸せの一部。
それらがにとって楽しく幸せだったので、明日からしばらくご無沙汰になるというのは実感が湧きにくいのだろう。
目を瞬かせてキョトンとしている。