第11章 お披露目
随分と褒められた腕に視線を落として柔らかく目を細め、自分の腕にすっぽりおさまるの体を胸元に引き寄せた。
「君は華奢だからあと2人くらいは俺の腕の中におさめられるな。君たちを抱きしめながら眠れる日が楽しみで仕方がない」
そう言って杏寿郎は片手をの下腹部へと動かして恐る恐る手を添える。
「ここに……いてくれているのだろうか?いてくれているならば、元気に育ってくれているだろうか?」
当てられている手は触れているのか分からないほど柔いのに、じんわりと温かさがに伝わり……それと共に僅かな震えが伝わってきた。
いるのかいないのか。
それも震えの要因に違いないのだろうが、後に言った言葉が要因を締めているのだろう。
「絶対にいてくれてますよ。それに杏寿郎君も先ほど言ってくださったように、杏寿郎君と私の子ですので間違いなく元気に育ってくれています。私が毎日鬼殺隊時代と同じ鍛錬をこなし、道場では皆さんのお相手をしていても耐えてくれていたのですから」
一気に杏寿郎の脳内にここ2、3ヶ月の鍛錬や稽古の日々が蘇る。
……大の男でも音を上げるほどのそれらは杏寿郎の顔面を蒼白にさせた。