第11章 お披露目
それから程なくして……
奥義を披露して庭一面に橙の炎を粒子を降らせて剣士たちを湧かせ終わったあと、と杏寿郎は微笑みあって木刀をそれぞれの呼吸の色に染め上げられた帯にしまい込んだ。
「きちんと舞えました!それもこれも……やはり杏寿郎君がずっと助け導いてくださったのが大きいと思います」
「完璧だったぞ!俺よりも君が努力を怠らず日々懸命に練習をこなしていたことが何よりの要因だ!自分を褒めてやりなさい。それで体調の方はどうだ?」
溌剌とした笑顔から心配げな表情になった杏寿郎は、やはりいつもより熱を帯びている体を自分に寄せて支えるようにして歩き始める。
それを有難く受け取ったは自らの頬に手を当て暫く逡巡……
その後顔を赤らめ杏寿郎を見上げた。
「体調は変わらず問題ないです。でも……杏寿郎君に伺ってご迷惑になるやもと聞けなかったのですが……」
こんな時は決まって杏寿郎の胃と心臓を煩わせる言葉を発する。
過去の経験から杏寿郎の額を冷や汗が伝うも聞かなければさらに事態が悪化するので、心の中で涙を流しながら先を聞く決意を固めた。
「何でも言ってくれて構わない。どうした、何がを不安にさせているのだ?」
「えっと……月のモノがここ最近きていませんでして。何処か体が悪いのでしょうか?」
「……え?い、いつからだ?!いつから来ていない?!」
余りの杏寿郎の勢いに更に不安になったの心臓は、今にも胸を突き破って出てきそうなほどに激しく打ち出した。