第11章 お披露目
こういった事に関しては基本的に皆から信用されていない。
鬼殺隊時代に散々無茶をしては怪我を負い、共に任に当たっていた柱たちの胃を煩わせていたのだから仕方がないだろう。
そして胃だけでなく心臓までも度々煩わされていた杏寿郎は、頼りなく眉を下げて自分を見上げてくると視線を合わせて真剣な眼差しでじっと見つめる。
「ふむ、何とも愛でたくなる表情だが無理をしている様子はないな。、演武の途中であっても君の表情に翳りが出れば俺は動きを止める。いいな?」
翳りを出さない自信しかないの表情は一気に晴れやかなものとなり、嬉しそうにピョンと体を跳ねさせた。
「はい!それで問題ございません!よかったです、皆さんに助けていただいた舞を披露できます」
「……俺は何も手伝った覚えねぇぞ。何かしたかァ?」
杏寿郎に頭をフワフワと撫でられ笑みを浮かべているの隣りにやってきたのは実弥。
確かに実弥が直接に舞をどうにかしてやったことは無いのだが……
「何を仰いますか!操り人形時代から最終まで笑いもせず見守って下さっていました!それがどれほど私の支えになったか……本当にありがとうございます」