第11章 お披露目
「杏寿郎君、天元君!わぁ!お二人共すごくすっごくお似合いです!杏寿郎君も天元君もお顔の作りが綺麗なので、やはり何を着てもお似合いになりますね!ずっと見ていたく……」
「それより熱があるのではないのか?!そのままじっとしていなさい」
興奮して顔を赤らめ自分を見上げてくるの顔を両手で固定した杏寿郎は自らの額をの額にあてがい熱の有無を確認する。
そして離した表情には心配が燻っていた。
「少し熱いな……喉や節々は痛くないか?寒気や体のだるさは?」
「何?!姫さん、そのままじっとしてろよ……って姫さんの平熱分かんねぇから判断が難しいな。確かにちょっと熱あるように思うな」
の体が熱を帯びていようと本人は至って元気である。
少し体が熱いかな?と思う程度で食欲もいつも通りで節々の痛みももちろん皆無だ。
「あ、あの!恐らく杏寿郎君の衣装姿を想像して気持ちが昂ったのだと思います!想像していても実際に目にしても……格好良すぎて心臓が飛び出しそうなほどドキドキしているので!ですので演武はさせて下さい。数ヶ月間、皆さんのお力を借りてようやく舞えるようになったので……舞いたいです」