第10章 ※湯けむり旅情
「っ……良すぎて、すぐに果ててしまいそうだ」
「ふっ……ん、嬉し……。でも、私の方が……あぁっ!ん、奥に当たって……気持ちよくて、はぁ……はぁっ、んぁっ……いっちゃう」
この姿を見られていることが恥ずかしくて身をよじらせるごとに新たな波が押し寄せ、杏寿郎に与えられていないのにどうしようもなく体が反応してしまう。
その様子が堪らなく愛しくなった杏寿郎は握ったままだった手を離し、代わりに腕を広げての体を呼び寄せた。
「1度止まって構わない……おいで」
動かしながら杏寿郎の胸の中に行く方法が朦朧とした頭では思いつかず涙を滲ませていたは、その優しい声音と口調に安堵から涙を零しクタリと温かな胸に身を委ねた。
「俺の上で乱れるを見ると……何度でも欲が昂りそうだ。……動くぞ?」
「ん……は、い。あの……でも今動かされるとっーー?!んんっ、ふ、ぁ……」
待って欲しいと懇願する言葉を遮るように奥を強く擦られ、胸元に隠していた顔は杏寿郎の手によって掬い上げられて舌が唇を這った。
何度されてもそれに慣れず思わず口を開くと、深く舌が捩じ込まれて息もできないほどに絡められる。
その苦しさと例えようのない心地好さがの全身を痺れさせ、自分でも分かるほどにナカが切ない痛みを催して収縮し、一瞬視界が真っ白になった。
「んぅっ!んんーーっ!」