第10章 ※湯けむり旅情
その杏寿郎の言葉に何か返そうと顔を上げた瞬間、耳元で水音が響き柔らかく温かな物が這う感覚が襲った。
全身が震えて下腹部に切ない痛みが走り、どうしようもなく素直な体はそれに反応して自分自身でも蜜が溢れたのが分かった。
今までされたことのない行為に戸惑い杏寿郎の顔を探すも、見えるのは金色の髪との反応を楽しむかのように揺れる赫い毛先だけ。
「耳……んぁっ、ふ……。や……あっ!」
「、体が熱くなっているぞ?気持ちいいか?」
耳のすぐ近くで感じる声と吐息はの頭を麻痺させ、恥ずかしさより快楽に溺れさせた。
「ぅ……んっ。音も声も吐息も……全て心地好くて、ん……気が狂いそう」
「狂ってくれ。依がり狂うが見たい……うっ、ふぅ……いつにも増して積極的だな」
耳元で囁かれ視界がぼやける中、は杏寿郎のモノへと手を動かし下から上へと柔い力で指でなぞっていた。
褌の上からであっても昂ったモノには刺激があり、の視界に映る太陽のような髪がふわりと揺れる。
「んんっ、だって私は濡れているのに……杏寿郎君が平常だったら、寂しい……1人はイヤ」