第10章 ※湯けむり旅情
ピリッとした痛みに体が反応するもに動きはなく、変わらず鎖骨付近に柔らかいものがあてられたまま。
今にも欲を発散させたくなる衝動を必死に抑え杏寿郎が小さく息を零してゆっくりと頭を撫でると、ようやく快楽を伴う痛みが消えていった。
「君にこうされるのは初めてだな。珍しいこともあるものだ」
「愛しい気持ちが抑えられませんでした。私の独占欲を……体現したものです」
以前、杏寿郎がに言った言葉をそのまま返され覚えられていた事に対する恥ずかしさもあるが、初めて自分に対して見せた気持ちに嬉しさが胸の中を満たした。
それに加え自分を見つめるの瞳には熱が帯びており、浴槽内で理性を抑えたくてもそれを阻止されてしまう。
「からの独占欲など俺を喜ばせるだけだぞ?ここで俺の理性を外せばどうなるか……分かっているか?」
「それは……その……お外で……ということに……んっ。杏寿郎君、待って、声が。ぁ、んんっ」
のお腹に当たっていたはずのモノがいつの間にか秘部へと当てられており、杏寿郎が少しでも腰を動かすと強い刺激が与えられる。
「煽ったのはだろう?……はぁ、少し付き合ってもらうぞ」