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月夜の欠片

第10章 ※湯けむり旅情


例の如く口付けを交わしているとの体から力が抜けていきフラフラと不安定に揺れだしたので、杏寿郎は1度顔を離して頬に当てていた手で濡れた銀色の髪を掻き上げた。

なぜ止めてしまったのかと寂しげに瞳を揺らし首を傾げるに笑みを向け、髪を押さえていた手を滑らせそのまま頭を撫でる。

「このままだとが湯に沈んでしまう。おいで」

湯に浸かっているが故の浮力と杏寿郎の力によっての体は簡単にふわりと浮き上がり、杏寿郎の太腿を跨ぐような姿で安置されてしまった。

「杏寿郎君……恥ずかしい、です」

杏寿郎が予想した通り恥ずかしがり視線をさ迷わせていたは返答が返ってくる前に、すぐ近くにある杏寿郎の首元へと腕を回して肩口に顔を隠していった。

ピタリと重なったの体の熱さは杏寿郎の体温も一気に上昇させ、全身が欲で満たされていく。
つまりの下腹部に欲が増したモノが当たるので、ピクと体を跳ねさせた。

その後どうするのかと杏寿郎が様子を伺っていると、僅かにしがみつく力が弱まり体も少し離れ……代わりに首筋へと柔らかなものが触れて、それは肩へと滑っていき鎖骨付近で止まった。

「……?んっ……ーー」
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