第9章 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
その間もと杏寿郎は笑顔でお狐様を慰め続け、お酒やお揚げを目の前に並べてやっている。
「お狐様、素敵な贈り物ありがとうございます。私にとって杏寿郎君と過ごせる時間は何よりも大切なかけがえのないもので、それが2年も増えたのだと知れた私の喜びは言葉では言い表せられないくらいなのですよ?」
涙で滲んだ瞳をに向けると本当に悲しみを全くたたえておらず、杏寿郎までもそんなの肩に優しく腕を回し幸せそうな表情をしている。
「……あんまり効果はないけどこれ飲んで?僕の加護の追加だと思ってさ。ずっと優しくしてくれてるお礼。お嬢さんはお酒飲んじゃ駄目みたいだから、唇を湿らせるくらいでいいよ」
まさかの再びのお狐様からの加護に2人は顔を見合わせるも、断ってしまえば可愛らしいお狐様の毛が涙で濡れそうな気がしたので、有難く猪口につがれている酒をいただくことにした。
「、君はお狐様の言う通り軽く口を付けるだけにしなさい。成人していない体に悪影響が出てもいかんからな」
「は、はい!まさかお酒初体験がここでやってくるとは思っていませんでした!ではお狐様、杏寿郎君、いただきます」