第9章 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
「杏寿郎君、お聞きになられましたか?8年ちょっとですって!杏寿郎君と過ごせる時間が2年も増えましたよ!なんて素敵な1年の始まりでしょうか!嬉しい……お狐様、謝罪なんてとんでもございません!むしろありがとうございます!」
失われた8年ではなく、しのぶから伝えられていた年数より短くなったことに本気で喜び皆が周りにいるにも関わらず杏寿郎へ抱きついている。
それを言ってしまうと隠さなくてはいけなくなるので、杏寿郎は敢えて指摘はせずにしがみつくをお狐様ごと強く抱き締めた。
「そうだな!君の好きなことをたくさんしよう!何がいいだろうか?ふむ……新婚旅行を兼ねて西の方へ温泉旅行に行くか!聞く話によると外湯巡りが出来るところがあるらしいぞ!そこはどうだろうか?」
いつの間にか新婚旅行の話に花を咲かせ始めた2人を暖かく皆が見守る中、天元はに気付かれない素早さでお狐様をスポンと引き抜き向こうを向いて目線を合わせた。
「お狐様、派手に頼むわ……姫さんがあんなだから良かったものの、危うく新年会どころじゃなくなるところだっただろ?!姫さんは自分の時間を多く失ってんだ。俺は姫さんと煉獄を笑顔でいさせてやりてぇ」