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月夜の欠片

第2章 第2章 鍛錬と最終選別 145ページ


薩摩芋だらけになるのはともあれ、は自分の誕生日はもちろん誰かの誕生日を祝うのも11年振りとなる。
自然と気合いも入るというものだ。

「では千代紙を切って繋げてお部屋に飾りましょう!昔、両親にしてもらった記憶があります!一気にお部屋が明るくなって楽しい気分になりますよ!明日は確か任務が入っていると仰られてましたし、お料理は明日の夜から用意して、飾りの準備は今から取り掛かりませんか?」

「はい!確か千代紙は母上のお部屋にあったかと思うので僕が用意してきます!さんは鋏や糊の準備をお願いしてよろしいですか?」

役割分担もバッチリである。
こうしては居間にある鋏や糊の準備、千寿郎は母親の部屋へと千代紙の調達へと赴き、2人して夜なべで杏寿郎が帰る予定の時間ギリギリまでこっそりと飾り付けの下準備を行った。

次の日の朝は杏寿郎が寝静まったのを確認し、これまたこっそりと食材の買い出しへ2人仲良く赴いたのだが、あまりの量の多さに何も事情を知らない槇寿郎は目を剥いて驚いたとか。

ちなみに杏寿郎の誕生日前日からの準備に、ひっそり槇寿郎も加わったことを本人が知るのは随分経った頃となる。
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