第2章 第2章 鍛錬と最終選別 145ページ
笑顔になったりしょんぼりしたりするに笑みを零し、千寿郎はの所在なさげに卓袱台を彷徨う手を握り締める。
「大丈夫です!買ったものでもさんが選べば喜んでくれると思いますが、それよりも心を込めて作ったものを贈った方が、兄上は喜んでくださると思うのです!さんはお料理が得意ですし、僕と一緒に兄上のお好きなものをたくさん作りませんか?」
何も持たない自分でも杏寿郎を喜ばせることが出来るかもしれない案に、再びの顔に笑顔が戻ってきた。
「千寿郎さんとお料理を作るのは楽しいので大好きです!それで喜んでいただけるなら、全力で取り組む次第です!やはり杏寿郎さんと言えば薩摩芋ですよね?薩摩芋のお味噌汁、薩摩芋ご飯、薩摩芋の甘露煮……後は何かご存知ですか?」
このままでは薩摩芋だらけになってしまう。
それでも杏寿郎は喜ぶに違いないが、やはり他のものも必要だろう。
「兄上は鯛の塩焼きが入った握り飯もお好きなので、それも作りましょう!後は……スイートポテトと言う薩摩芋を使った洋菓子もお好きです!この際です、薩摩芋だらけになりますが、兄上の好物だけで揃えましょう!あとはこの部屋を飾り付けたりもいいですね」