第9章 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
不自然な天元に首を傾げるの気を杏寿郎が引きながら、残りの者たちの到着に快活な笑みを浮かべていた。
「胡蝶、冨岡!久しいな!元気にしていたか?」
「煉獄さん、ちゃん。私は元気にしていましたよ。冨岡さんは……この通りです」
何だかんだで仲のいいしのぶと義勇がと杏寿郎、実弥の前に到着し、女子同士は手を絡めあってピョンピョン飛び跳ねて再会を喜んでいる。
それを満足気に見ていると、しのぶにこの通りですと言われた義勇がテチテチと杏寿郎と実弥の前に歩み寄った。
「君も変わらず元気そうで何よりだ!どうした?何か……」
ズイと杏寿郎へと差し出したのは酒が入っていると思われる一升瓶。
「ふむ、芋焼酎か!俺が芋が好きだから持ってきてくれたのか?」
「あぁ。あと不死川にも」
杏寿郎は薩摩芋が好きだが芋焼酎が好きというわけではないものの、義勇の心遣いが嬉しかったのか笑顔で受け取っている。
そして不死川に差し出したのは小さな木箱だった。
「何だよ……これ。俺にかァ?」
「そうだ」
相変わらず短い。
中身が分からないので喜びようがなく……ひとまず実弥は義勇から木箱を受け取り蓋を開けてみる。