第9章 第25章 決戦と喪失 1812～1813ページ

天元ですら見たことのないは杏寿郎しか見たことがないだ。
そうなった経緯はあまりにも悲しいので見てみたいとは思わないものの、やはり今も実弥の前で笑ったり驚いたりするを見ていると興味は湧いてしまう。

「あの顔で感情表現乏しけりゃまんま人形みてぇだな！人形みてぇなのも可愛らしかったんだろうが、やっぱ姫さんには笑っててもらわなきゃしっくりこねぇわ！おら、いつまでもここにいっと不自然だろ？行くぞ」

「はどんな表情も愛らしいが、やはり笑顔と妖艶な……いや、何でもない！さぁ、行こうか！」

何とも気になるところで話を切り上げて、杏寿郎はさっさとと実弥の方へ歩いていってしまった。

「嘘だろ……煉獄、お前！クソッ、不死川と姫さんがいる前で聞けねぇじゃねぇか！あ"ぁ"ーー！後で覚えてろよ、派手に酒飲まして絶てぇ聞いてやるからなぁっ！」

小さな声で不満を呟く天元なんて何のその。
既に杏寿郎は2人の前に到達しており、いつも通り目じりを下げてを見つめ、可愛いと言わなくても可愛くて仕方ないと伝わるように頭を撫でている。

「宇髄さん、そんなところで蹲って何してるの？すっごい不自然だよ？」

ここで大人な話で共に花を咲かすことの出来ない無一郎と……花を咲かす前に叱られてしまいそうな行冥が到着した。