第8章 第26章 月と太陽(1874~1878ページ)
の奥義習得に一役買ったのもあり、杏寿郎の表情はとてつもなく嬉しそうで実弥は苦笑いしか出来ない。
それでも威力があり美しかったの奥義は実弥の心を何とも温かくしたので杏寿郎の……ではなくの頭を撫でて褒めてやることにした。
「確かに綺麗だった。威力も申し分ねェ……で、奥義名は何か由来でもあんのかァ?煉獄は自分の名前を付けてるみてぇだが」
そこで待っていましたと言わんばかりに答えたのは何故かやはり杏寿郎だった。
「ある!四季の美しい風景を穏やかに眺められるようにと願いが込められているのだ!本来は冬の雪、秋の月、夏の風に春の花で雪月風花だが、花はの呼吸である炎を火に変換して雪月風火となっている!使用者であると同様愛らしい名だろう?」
「……お前が答えんのかよ。まぁ、コイツらしい奥義名だと思うがなァ」
実弥の返答はも喜ばせいつも通り、思わずこちらも笑顔になってしまうふわりとした笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。これは杏寿郎君にも初めて明かすのですが、春の火には私の大好きな春の日差しのような杏寿郎君もこっそり意味合いとして含んでいるんですよ。婚姻前の私の月と杏寿郎君の火。あと……」