第7章 ※ 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ
体を拘束しようと四方から伸ばされた手をいとも簡単に跳躍して躱し、呆気に取られた男たちの内2名はが着地するまでに杏寿郎から頸椎へと手刀を叩き込まれて地面へと突っ伏した。
「杏寿郎君にばかり気を取られているから、こちらがガラ空きになっていますよ?おやすみなさい」
男たちの背後から決して強くはない力で杏寿郎と同じく2人の頸椎をトンと叩き、地面と仲良ししていただいた。
「さて、7人相手であってもこの状況になった訳だが。まだ続けるか?」
残った3人の前には見た目からしても自分たちより強い杏寿郎、背後にはか弱いはずの少女が……自分たちの視界から外れたのをいい事にゴソゴソ動き回っている。
「クソッ……コケにしやがって!こっちが丸腰だと思うな……」
「杏寿郎君!」
男が懐に手を入れ物騒な物を取り出そうとした瞬間、は杏寿郎を呼び何かを掲げそれを投げて寄こした。
それを目にした杏寿郎は苦笑いを浮かべながらも、手を上にあげて寄越されたものを掴み取る。
「頼もしい妻だ!……懐から何を出そうとしているか目星はつくが出さない事を勧める!俺は剣術道場の師範、妻は師範代を務めているのでな!」