第6章 第26章 月と太陽 1873ページより
優しく見守っていたのも束の間……封筒から出てきた写真を目にした途端、杏寿郎は目を見開き固まってしまう。
「フフッ!驚きましたか?私も自分で見て驚きました!完全に瞳が見えませんね!唇も淡い色で睫毛も眉も銀色なので、まるで顔に何もないように見えます」
なんとは白目を剥いて写真に写っていたのだ。
の特徴的な柘榴石のような綺麗な瞳は瞼の裏側に隠され……白い肌もあいまって、まるでのっぺらぼうのようである。
「杏寿郎君もお顔が引っ張られて素敵な表情になっていますね!突然蜜璃ちゃんとしのぶさんに、今までしたことのないような考えうる限り面白くて変な顔をしてねって言われた時は驚きました!」
「ふむ、よく見れば例え白目を剥いていても愛らしいな!は何をしていてもどんな表情も愛らしい!これは玄関に飾るとしよう!」
穴が空くほど写真を見つめた後、杏寿郎が出した結論である。
とりあえずがどんな姿であれ表情であれ、杏寿郎にとっては可愛いらしい。
「ありがとうございます!でも杏寿郎君の方がどんなお顔でも格好良いですよ?せっかくなので2枚とも玄関に飾りましょう!お客さんが来られたら間違いなく笑顔になります!」