第6章 第26章 月と太陽 1873ページより
ふわりとが微笑んで返すと杏寿郎や天元はもちろん、門下生たちも安心したようで淡く笑顔を浮かべた。
……そしての小皿に少しずつ金平糖をお裾分けと言わんばかりに門下生たちが乗せてくれ、最後の一人が金平糖を乗せ終える頃には小皿から溢れんばかりの量となっていた。
「皆さん……ありがとうございます!実は金平糖が……好きなのですが……あれ、どうして金平糖ばかりくださる……の?」
「あ"ぁ"……姫さん!良かったじゃねぇか!好きなら遠慮なく貰っとけ!それより1枚目の写真、俺たちにも見せてくんねぇか?2枚目も楽しみにしてたんだろ?」
誤魔化すように天元は言葉を紡ぎ意識を金平糖から逸らさせ、今にも落としてしまいそうだった笑顔で写った写真を受け取り、門下生たちを周りに呼んで楽しみ出す。
少し置いてけぼりになったような気分になりながらも、隣りに座る杏寿郎がヨシヨシと頭を撫でてくれたので、金平糖は有難く頂いて口の中に1つ含み、これ以上は深く考えないこととした。
「金平糖が好きだったのだな。俺の分も食べるといい。ほら、封筒の中の写真を見よう!君の新たな一面を見せてくれ!」
「い、いいのですか?!では後で芋けんぴと金平糖を交換しましょう!」
危うく顔を真っ赤にするところだったを持ち直させる事に成功した杏寿郎は、金平糖に機嫌を良くして封筒にいそいそと手を差し入れたを笑顔で見守った。