第6章 第26章 月と太陽 1873ページより
「わぁ!杏寿郎君、天元君!私が望んでいた通りの写真です!嬉しい……お2人とも、願いを叶えて下さり本当に……ありがとうございます。生きて側にいて下さって……感謝しかございません」
写真を見て声を堪えてポロポロ涙を流すの頭を撫で、杏寿郎はこうなると予測していたのだろう……脇に用意しておいた手拭いで頬に流れる涙を拭ってやる。
「喜んで貰えて何よりだ。それに俺たちがこうしてここにいられるのは君が努力を怠らず、柱となって助けてくれたからだ。だからどうか泣かないでくれ、君の泣き顔は胸が締め付けられる」
「申し訳……ございません。笑顔でいたいのに、皆さんの笑顔を見ると嬉しさで溢れて……涙が止まりません」
きっと嬉し涙だけでなく、これまでや決戦で失った多くの命も思い起こされた故の涙だろう。
悲しみの色を滲ませるを杏寿郎は抱き寄せ、胸の痛みが早くおさまるように……と願いを込めて頭を撫で続けた。
壮絶だった決戦や鬼殺隊隊士たちがそれまでに失ったものを知らない門下生たちも、静かに涙を流すに胸を痛めたのか……配られた茶菓子を手に次々との元へと運んで来た。
「ち、違うんです。これは嬉し涙なので悲しいのではなく!お菓子は皆さんでお食べ下さい!でも、お気持ちは有難くいただいておきますね」