第6章 第26章 月と太陽 1873ページより
真面目ならしい提案に杏寿郎は満足気に頷き、天元は苦笑いを浮かべながら門下生を見遣る。
すると一瞬後には喜びの声が上がり、卓袱台の前に2人が座れるように笑顔で空間を空けてくれた。
「よし、では奥義に関しては明日の楽しみにしてもらうとして……写真を見るとしよう!宇髄、見せてくれるか?」
「勿論だ!祝言の主役はお前らだし、先に2人で見ろよ。特に特殊な方は2人が判断してコイツらに見せていいのか決めてくれ!」
特殊な方……それは間違いなくが自ら変な表情をして、杏寿郎が天元と実弥によって無理矢理変な表情にさせられ撮られた写真の事だろう。
「ふむ……では女子であるに判断は任せよう!、見せるのが恥ずかしければ無理をする必要はないからな?」
「フフッ、私は誰に見られても構いません。それより中を見ましょう!初めての写真、出来上がるのをすごく楽しみにしていたのです!」
天元から手渡された封筒を喜び勇んで受け取ったは、いそいそと丁寧に封を解きゆっくりと慎重に中に入っている写真を取り出した。
1枚目は藤の花の前で撮られた、皆が素敵な笑顔で写っている写真。
が鈴取り合戦で鈴を天元からもぎ取ったその時から、ずっと心の中で望んでいた宝物になり得る1枚だった。