第1章 朝食を愛しい君と【沖矢昴】
私の望む未来が、昴の望む未来でもあった。
昴と過ごす毎日はどんな特別な日にも負けないくらい
輝いていて、
気持ちがすれ違って喧嘩をする日があっても
些細なことが気になって不安になる日があっても
昴と一緒に積み重ねていった日々が消えることはない。
昴が言うように、私もこの何でもない一瞬を忘れたくないよ。
「私も昴と同じこと思ってた。
これからもずっと貴方のそばに―…」
言い終える前に、昴の顔が近づいてきて唇にキスを残した。
「その先は僕のセリフだろう?」
そう言って彼は私の左手をとると薬指にキスをする。
「これから先もずっと、僕のそばにいて欲しい。
誰よりも愛しているよ、ルナ」
クラクラするほどの甘い言葉を当てられて
今日は貴方を独り占めしたい、誰にも邪魔なんかさせない。
そんな少し意地悪な気持ちをこめて愛しい人を抱きしめた。
fin.
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