第2章 このまま【世良真純】
どさくさに紛れてルナの手を握る。
昔からこうやっていたから今更ルナも嫌がることはないし
女同士手を繋いでいても仲の良い友達…と周りには思われているだろう。
ボクはルナのこと、友達だなんて思ってことはないけど。
「真純ちゃん、みてみて!このお菓子、懐かしくない?」
コンビニの駄菓子コーナーでルナが言う。
「おっ、そうだな。これも!ルナと半分こして食べたよな」
「ふふっ、そうだね。あー、楽しい!
私、真純ちゃんが日本に帰ってきてくれて本当に嬉しい。
あのままずーっと離れ離れだったら…私、イギリスに行ってたかも!」
「な、なんだよルナ…今日はやけに素直じゃないか?」
ボクの気も知らないで「えー、そう?」なんてとぼけた顔してる。
家に着いたら覚悟しとけよ、ルナ。
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机の上に英語のテキストを広げ、ノートに問題を解いていく。
頬杖をついて眉間にしわを寄せて悩んでいるルナも可愛い。
ルナと同じクラスだったら、この顔を毎日見られるってことか…