第2章 プロローグ
フィ「いや、俺も知らないなぁ……ファウストなら何か知ってるんじゃないかな。この後聞きに行ってみたらどうだい?」
フィガロは一瞬真剣に物事を考えるような顔をすると直ぐにいつもの朗らかな顔に戻りそう返した
晶「確かに、それもそうですね。じゃあこの後ファウストの部屋に行って聞いてみます」
そう言って晶が完食した皿を持って立ち上がると今まで傍観して聞いていたネロが近寄ってきた
ネロ「先生のところに行くんだったらついでにレモンパイも持って行ってくれ。皿は俺が片付けとくからさ」
晶「分かりました。じゃあお皿はお願いしますね」
そう言って晶は持ちかけていた皿をテーブルに戻すとネロからレモンパイの乗った皿を受け取ろうとした
フィ「あ、まって賢者様。レモンパイは優しい優しいフィガロ先生が持って行ってあげるよ、それよりも地図が依頼書にのっているなら取ってきた方がいいんじゃないかな?」
晶「それもそうですね、じゃあレモンパイはフィガロに預けますね」
晶はフィガロにレモンパイを渡すと小走りで依頼書を取りに行った
フィ「じゃあ、フィガロ先生はファウストのところに行って来るからミチルとルチルは自由にしてていいよ」
ミチル「分かりました!兄様、この後庭に行きませんか?面白い花を見つけたんです!」
ルチル「そうなの?それじゃあ食べ終わったら一緒に見に行こうか。」
そう言って笑いあっている2人を微笑ましそうに見ながらフィガロはファウストの部屋に向かって歩いた
晶が急いで依頼書を取りに行きファウストの部屋の前にかけて行くとフィガロはもう既に扉の前にいて晶を待っている様だった
晶「すみません、お待たせしてしまって」
フィ「いや、問題ないよ。それにきっと俺1人でファウストの部屋を尋ねても招き入れてはくれないからね」
フィガロはそう頬をかきながら言った
晶は特に深く追求せずに部屋の扉をノックしてファウストに声をかけた
晶「ファウスト、今少しいいですか?少し聞きたいことがあって」
少し間が空くと、扉がゆっくりと開かれ繊細そうな綺麗な顔のファウストが出てきた
ファウストは晶を見たあとにフィガロを一瞥すると露骨に嫌そうな顔をしたが晶の方に向き直った
晶「急にすみません。実は新しく来た依頼があって、東の国からだったので……」