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ムーンストーン

第4章 魔女



フィガロが避けた事でセレーネの姿が全て見えるようになった魔法使い達は、初めてセレーネを見た晶と同じようにその美しさに息を飲んだ


フィ「レノとネロ以外は初めてだよね。この子がさっき言ったこの村の魔女だよ。皆仲良くしてあげてね」


フィ「ファウスト、レノ、今後のことで話があるんだけどちょっといい?」


レノ「はい。」


レノはいつものように返事をし、ファウストは何も言わずにソファから立ち上がりこの部屋から離れていくフィガロに着いて行った
その姿を見た他の魔法使い達も各々料理をしたり話をしたりと好きなように動いていた



そんな中ポツンとソファに取り残され心許ない様子で当たりをキョロキョロ見回していたセレーネにルチルが声をかけた


ルチル「美羽さん、暇なら私達とお話しませんか?」


ソファの後ろから声をかけたルチルの隣には弟であるミチルもいた
セレーネがコクリと頷くとルチルとミチルはセレーネを挟むように両サイドに座った


ルチル「紹介します、私の弟のミチルです」


ミチル「初めまして、よろしくお願いします!」


『初め、まして? セレーネって呼んで。ミチルくん……よろしくね』


ミチル「はい!よろしくお願いします、セレーネさん!」


ルチル「ミチルとはきっと歳も近いでしょうから、ぜひ仲良くしてあげて下さいね」


ルチルのその言葉を聞いてセレーネはゆっくりと首を傾げた


『ミチルくんが何歳だか分からないけれど、きっと同い年じゃないと思う……』


その言葉に今度は南の兄弟が首を傾げると目の前のテーブルにホカホカと湯気のたつマグカップが置かれた


ネロ「まぁ、魔法使いにとって見た目と年齢はあんまり関係ねぇからなぁ……つまりは、そこの嬢ちゃんはお前らよりも年上だって言いたいんだよ」


ルチル「なるほど、そういうことだったんですね!セレーネさん、ごめんなさい……女性にこういった話は失礼でしたね」


ルチルがあからさまにションボリと眉を下げたのを見てセレーネはルチルの袖を引きブンブンと頭を横に振った


『気にしてないよ……?ただ、本当は歳が近くないから仲良くしちゃダメかなって、思って言っただけなの』


ミチル「そんなことありませんよ!ボクは歳が離れていても仲良くしたいです!!」

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