第4章 魔女
ルチル「皆さん、おかえりなさい!」
晶達がファウスト達の待つ建物に着き扉を開くとミチルが元気よく穏やかな笑顔で出迎えた
ミチル「兄様!ご無事で良かったです……心配しました」
浮かない顔をしていたミチルもルチルの姿を見ると駆け寄り抱きついた
ルチル「あらあら……ミチルは甘えん坊さんですね。皆さんも、心配お掛けしてすみません、このとおりもう大丈夫です!」
ルチルはミチルを優しく抱きとめた後晶達の方をむいてチカラコブをつくる素振りをした
確かに今のルチルは顔色も肌艶も良くなんなら何時もよりも健康そうに見えた
フィ「すっかり元気になったみたいで良かったよ、あの子とファウストは?」
ルチル「中にいますよ!取り敢えず皆さんも中に入りましょう」
晶「そうですね」
ルチルに促され足を進めた先で一行はとんでもないものを見た
ソファに腰掛けたファウストの膝の上で猫の如くごろついているセレーネの姿がそこにあった
幼さを残した顔はマタタビを与えられた猫のように蕩けきっていて、散々動いたからか、衣服は乱れ肌色がはだけて見えていた
1部のものは笑いをこらえた様子でもう一方では顔を赤らめてその様子を見ていた
フィ「これはまた……随分と懐かれたね、ファウスト」
フィガロが必死に笑いをこらえながらソファに近寄ると寝転んでいたセレーネを起こし身体に異変が無いか調べた
フィ「うん、問題ないね。いつ頃目を覚ましたんだい?」
ファ「1時間ほど前だ。ルチルはその前に目を覚ましていて、たまたま僕がこの子の様子を見に行ったら目が覚めていた。そのまま部屋を出ていこうと思ったら何故かついてこられて……」
ファウストがはぁとため息をつくと身体を起こしてファウストの身体にピッタリとくっついていたセレーネは不安そうにファウストやフィガロを見上げた
フィ「大丈夫だよ、ここには優しい魔法使いと優しい賢者様しかいない。君に害をなそうと思ってる人はいないよ」
フィガロはそう言ってセレーネの頭を撫でると自分の体をずらし他の魔法使いからも姿が見えるようにした。