第4章 魔女
『本当?……嬉しい、ありがとうミチルくん!!』
セレーネはミチルの方に身を乗り出すと両手を握り目を輝かせて溶けたように笑った
ミチル「えっ、あ、あの……(近いし良い匂いがするし、どうすれば)」
女性との接触など南の村以来であり思春期真っ只中のミチルには急に近くなったセレーネとの距離に対応しきれず心臓が口から飛び出しそうになっている
ルチル「あらあら……」
ルチルはネロから貰った暖かい飲み物を飲みながら微笑ましそうに2人を眺めていた
ネロ「2人とも腹減ってねぇか?俺たちは朝食べたけどルチル達はまだだろ?出来あえのもんで悪いけど、これ」
そう言ってネロは数人分のサンドイッチを2人の前に置いた
ルチル「ありがとうございます、ネロさん!とっても美味しそうです」
ネロ「あぁ、俺は様子見ついでにファウスト達にも渡してくるから」
そしてネロは皿にサンドイッチを何個か取るとフィガロ達のいる部屋へと消えていった
ルチル「さ、セレーネさんも良ければ一緒に食べませんか?ミチルもお腹減ってない?」
ミチル「いえ、ボクは朝食べたので大丈夫です!」
その言葉に頷くとルチルはサンドイッチをひとつ取り口に運んだ
おそらくネロお手製のサンドイッチ美味しくないわけが無い
時間が経ってもなおシャキシャキの野菜とふわふわのたまごは相性抜群だった。よく見るとフルーツの入ったものやハムの入ったもの等、割と好き嫌いのハッキリした魔法使い達にあわせて様々な種類のサンドイッチが並べられていた
ルチル「セレーネさん食べないんですか?ネロさんの作る料理はとっても美味しいんですよ?」
ルチルが隣のセレーネがサンドイッチを見つめたまま不思議そうな顔をしていることに気付き声をかけると首を傾げますます不思議そうに今度はルチルを見た
ルチル「もしかして苦手なものがありましたか?」
『ううん、わかんない……この白いふわふわした食べ物なぁに?』
ルチル「これはサンドイッチと言う食べ物です、パンに色んな食べ物を挟んでいるんです。……もしかして、食べたことないんですか?」
セレーネはコクっと縦に頷く
ルチル「セレーネさん、甘いものは大丈夫ですか?」
『甘いものって……ケーキみたいなの?』
ルチル「はい、」