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ムーンストーン

第4章 魔女



フィ「率直に言えば今回の出来事は貴方の言う通り魔女の引き起こしたものだ。村の人々は知らなかったようだけど、俺達がこの村に来た時から感じていた甘い香りはどうやら誘淫効果のあるもので、そしてその香りの発生源は魔女。その魔女の体には賢者の魔法使いである印があった。今回の出来事も厄災との戦いで出来た大いなる厄災の傷が原因と考えて間違いないだろうね」


フィガロは静かにそう語ると長の様子をちらりと見る
長は続きを促すように目をつぶるとフィガロは再び口を開いた


フィ「昨日の夜俺達がたどり着いた先には大きな建物が建っていて、村の男達を追って2階の奥の部屋に着くと中にいた魔女が意識のない男達に襲われていた。俺には魔女が必死に結界を張って身を守っているように見えた、それから俺達は男達の身動きを取れないようにして魔女との会話をしようとした……酷く怯えている様子だったよ。今回は俺達がいたからだけど、あの様子じゃ結界がいつ壊れてもおかしくは無かった。普段だったらあのまま男達に乱暴されていたんじゃないかな……取り敢えず、魔女とのコンタクトにはなんとか成功して気が緩んだのか眠りについた。あのまま置いていくのも忍びなかったから今はここにいない魔法使いと一緒に用意された建物で休ませているよ。魔女についての詳しいことはあの建物をもう一度調査してみないと分からない」


この話を知らない魔法使い達は各々驚いたりオロオロとしたりし始めた


長「ありがとうございました。おおよその事は理解致しました……お疲れになりましたでしょう、村の者たちへの説明はこちらで引き受けます」


晶「えぇ、そうして頂けると助かります。それでは僕達は一旦お暇させていただきます。進捗があればまた来ますね」


長「はい」



晶はぺこりとお辞儀すると静かに長の部屋から退出した。他の魔法使い達もそれに習い部屋から出て行った



ミチル「あの、僕。まだフィガロ先生の言ってたこと良くわかってないのですが、どういう事なんですか?」


ミチルは未だに困惑した表情で歩きながら尋ねてきた


フィ「そうだなぁ……まぁ取り敢えず、今回の事件を起こした魔女は悪い子じゃないってことだよ」


そう言ってフィガロはミチルの頭を撫でた
ミチルは納得がいっていない表情だったがそれ以上は聞かなかった



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