第4章 魔女
皆が安堵の息をつく中、晶がそっとフィガロに近付いた
晶「あの、フィガロ……あの子はどうなりましたか?」
フィ「大丈夫、無事だよ。足枷についてた呪いも一応は解けたみたいだし、まだまだ分からないことは多いけどとりあえずあの身体から出てた甘い匂いも無くなった」
晶「良かった……」
フィ「呪いが解けた後気が抜けたのか眠っちゃってね、あの部屋に置いていくのも気が引けたから村まで連れてきたよ。今はルチルと一緒にファウストが様子を見ててくれてる」
晶「そうなんですね……この後どうしましょう」
フィ「そうだね、とりあえずこの村の長には全てを話すべきだろう……何だか魔女について知っていることもありそうだったしね」
フィガロの提案に晶も同意すると聞き耳をたて様子を伺っていたネロがゆっくりとやってきた
ネロ「長に話をするのは良いんだが、どうする?ヒースやシノくらいまでなら大丈夫だったろうけどミチルに聞かせられる話じゃないだろ」
フィ「うーん……でもミチルだけ仲間外れにする訳にもいかない。それに多分あの子は魔法舎で預かることになる、賢者の魔法使いの印があるからね。」
ネロ「確かに……そうなれば今回のことについて他の奴らにも説明は必要になるだろうな」
フィガロの言葉にネロも晶もため息をつきながら納得した
晶「じゃぁ取り敢えず、長のところに行きましょうか。村の人たちもソワソワ落ち着かない様子ですし」
フィ「そうだね」
フィガロが晶の言葉に賛同すると散り散りに集まり話をしていた魔法使い達を呼んで初日ぶりに長の家を訪ねた
晶達が長の家に着くと、まるで最初から来るのが分かっていたようにスムーズに長の部屋に案内された
長「数日ぶりですね……皆様。ここに来たと言うことは怪奇現象について何らかの進展があったという事でしょうか?」
フィ「えぇ、おおよその事は解決出来たかと思いますよ」
フィガロは含みのある視線を長に向けたあと、今回のことについて説明すべく口を開いた