第4章 魔女
フィガロに言われたまま村人と共に晶達が村に帰ってきてから数時間が過ぎ、フラフラと自分の家に帰って行った男達も意識を取り戻し村人達は皆広場に集まっていた
晶と魔法使い達も広場の端にあつまっていた
晶「フィガロ達……大丈夫でしょうか?」
ヒース「やっぱり、俺達も加勢しに行った方がいいんじゃ……」
レノ「フィガロ様とファウスト様なら……きっと、大丈夫です。お2人はとても強いですから。」
ミチル「でもっ、兄様は……」
ネロは不安そうに目をうるませているミチルの頭に手を置きなだめるようにポンポンとした
ネロ「心配するな、お前の兄貴は無事に帰ってくるさ」
シノ「あいつを残すんだったら俺も連れて行ってくれれば良かったのに」
ネロ「まぁまぁ、大人の事情ってやつだよ。それよりも、どうすんだ賢者さん」
シノの発言に事情を知っている晶達は気まずい顔をしたがネロが気を回して話を逸らした
先程から村人達はチラチラとこちらを見て不安そうにしている者もおり、依頼の事件についての何かしらの説明を求めているようであった
晶「うーん……フィガロ達が来ないことにはどうにも、なんとなくのこと把握しましたがこれを全て言っていいのかどうかも……」
今回の事件は子供のいる前で話すのを憚られるのは勿論の事、住民全てに話して良い事かも分からない
甘い香りに誘惑されていた男性の中には多くの妻子持ちがおり、晶達が推測しうる範囲の真相を話してしまえばその関係に亀裂が入らないとも言えない
妻以外の女性と性行為に及ぶ可能性もあったのだから
ネロ「そうなんだよなぁ……結局帰ってくるのを待つしかないか」
ミチル達は何の話だかよく分かっていなかったが空気を読んで何も言わずにフィガロ達を待っていた
フィ「おぉーい、皆!無事に村に帰れてたみたいだね」
晶達の集まっていた広場にフィガロは1人で小走りで駆け寄ってきた
ミチル「フィガロ先生!兄様は?ご無事ですか?」
フィ「うん、ルチルもファウストも無事だよ。ただルチルが疲れて眠ってしまったみたいから寝かせてきたんだ。ファウストはその付き添いをしてくれてる。人前に出るのを嫌がってたからね」
ヒース「良かった……ファウスト先生もご無事なんですね」