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ムーンストーン

第4章 魔女





『……そうよ、魔女よ。だから近寄らないで』


フィガロはその答えを聞くとベッドの直ぐ側まで行った


フィ「顔を上げて、俺の目を見て、君を助けてあげる」


その声に銀髪の女性は恐る恐る顔を上げフィガロの目をじっと見つめた


フィ「ポッシデオ」


フィガロが突然呪文を唱えると銀髪の女性は身体を崩しフィガロにもたれかかった
途端脳の理性を焼き切るほどの胸焼けするほどの甘い匂いが晶達を襲った


晶「フィガロ、何をしたんですか?」


フィ「少し気を失わせただけ。この子が、今回の事件の犯人……というか正体だよ」


そう言ってフィガロは銀髪の女性の顔と身体を晶達に見えるように向けた


それは女性と呼ぶにはまだあどけない顔をした真珠のような美少女だった

長く艶のある銀髪に閉じられた瞼には髪と同じ銀色のまつ毛が煌めいていた
肌は真珠のように白く、肌蹴た柔らかい素材のドレスからは幼い顔つきにミスマッチな豊満な身体が覗いていた


光り輝くような少女を前に皆動くことが出来ずにいたが、ファウストが声を振り絞った


ファ「その子が、今回の事件の犯人なのか……?」


フィ「うん多分そう。詳しいことは聞かないと分かんないけど、この子の身体から出てるこの甘い香りが男達を引き寄せてたんだ。しかも多分この子本人の意思じゃない」


晶「この子の意思じゃない……?じゃあ一体誰が……」


フィ「多分……大いなる厄災の傷だよ」


フィガロの声にその場にいた殆どの魔法使いが目を見開いた


ファ「大いなる厄災の傷だって?ならその子はこの間の厄災と戦っていたということか?」


フィ「うん、きっとそうなんじゃ無いかな……どういう戦いをしたかは分からないけど、これを見て」


それを見た全員が息を飲んだ
フィガロがめくったお腹、へそより少し下の辺りに賢者の魔法使いの証である黒百合の模様が入っていたのだ


ファ「前回の戦いの時賢者の魔法使いの中にその子は見たことは無かった、人数も20人丁度だった」


晶「じ、じゃあ賢者の魔法使いとして召喚に応じなかったって事ですか?」


フィ「この印がいつこの子に刻まれたのかは俺にも分からない、ただ、召喚に応じなかったんじゃない。多分賢者の魔法使いという存在自体よく知らなかったか、そうじゃなくても行けなかったんじゃないかな」



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