第4章 魔女
夕飯を食べ身支度をし今度は全員で森の入口近付くに隠れていた
ルチル「あっ、あれ!村の方々じゃないですか?」
ルチルが指さす方には確かに若者の男達がフラフラとした足取りで森の入口に近付いてきていた
男達は遂に晶達を横切り森の中に入っていった
フィ「入口が空いている今のうちに、入ろう。跡を追うよ」
ふわりとまた頭の中が焼き切れそうなほどの甘い香りがした
ルチル「大丈夫です!行けます!」
ヒース「俺も、大丈夫です!」
明らかに無理をしていたがその意図を組んで誰も何も言わなかった
ミチル「あっ、あれって昼間のお城……」
森をフラフラと歩く男達のあとを追うこと数分目の前にまた昼間に見た宮殿が聳え立っていた
昼間と違い霧がなくその豪勢な作りが月明かりに照らされている
そして歩けばその度にしっかりと建物に近づいて行く
ファ「森の中にこんなものを隠してるなんて……」
所々力尽きたのか倒れている村の男達がいる
フィ「村の人達の回収は後だ。今はとりあえず魔女の正体を暴くのが優先だ」
宮殿に近づく度に甘い匂いは増す
晶はルチルに近付き話しかけた
晶「本当に大丈夫ですか?ダメそうなら言ってくださいね」
ルチル「ありがとうございます。でも本当に大丈夫なんです、確かに頭の中はぼーっとするし身体は暑いんですが、何だかよく分からないけれど力が湧いてくるんです!」
そう言うルチルの瞳はカラメルをドロドロに煮焦がしたように艶やかだった
このルチルの様子を見ていたファウストとフィガロの頭にはある仮説が浮かんでいた
ファ「まさかな……」
晶達はついに建物の中へと足を踏み入れていた
ホールと思わしき場所には男達が倒れている
上の階で何やら音がしている、恐らくそこで何かが起こっている
フィ「ミチル、シノ、ヒース、この階にいる村人達の介抱を頼む」
シノ「は?さっきあんた村人の回収は後だって」
フィ「事情が変わった、ここを頼めるのは君たちだけなんだ」
ある仮説が浮かんでいた時点でフィガロはこの3人を目的地へ連れて行くことは出来ないと分かっていた
そしてフィガロの意を察したファウストも言った
ファ「シノここで何かあったとき、ヒースを守るんだ」
シノ「分かった」