第3章 隠された場所
昼過ぎ頃建物の中で全員が集合した
晶「何か収穫はありましたか?」
ネロ「俺は被害にあった若い男に話を聞いて見たんだが、誰に聞いてもやっぱり何も覚えてないみてぇだ。嘘ついてるようにも見えなかったしな。ただ……1部のやつは朝起きたら妙に身体がだるかったり、疲れが出たらしい」
ファ「前日の作業の疲れが溜まってとかじゃなくてか?」
ネロ「いや……なんて言うか、」
ファウストが追求するとネロは歯切りが悪そうにしたがファウストを手招きして部屋の隅でコソッと何かを言った
ファウストが若干気まずそうな顔をして戻ってきた
フィ「俺はこの村に来てからする妙な甘い匂いが気になってね、村の人に聞いて回ったんだ。匂いに対して気付いていたのは殆ど若い男性だったよ。女性や子供、老人にも聞いてみたけどそんなのは嗅いだことが無いってさ」
晶「今回の件と無関係ではなさそうですね」
ファ「僕は男達が消えたという森の方を調べていた。何度入っても村に戻る、恐らくそう言う術がかかっている」
晶「じゃぁ、午後はその森中心に調査しましょう。ルチルとヒースは大丈夫ですか?」
ルチル「えぇ、大丈夫です」
ヒース「俺も大丈夫です」
ネロ特製のお昼ご飯を食べたあと全員揃って男達が消えたという森の入口へ向かった
フィ「この森に近付くにつれて甘い匂いも強くなってる。やっぱり何か関係があるみたいだね、みんなも無理しちゃダメだよ」
そう言ってフィガロはこの村に入ってきた時と同じ様に呪文を唱えた
フィ「ポッシデオ……うーん、賢者様少し手を貸してね」
フィガロは晶の手をとるともう一度呪文を唱えた
フィ「だいぶ厄介な魔法だったよ、これで元来た道に無理やり戻されることは無いと思うよ」
フィガロが厄介だと言うくらいなのだからここの魔女は大分腕が経つのだろう
晶「じゃあ、このまま進んでみましょうか」
フィガロの言う通り奥に進むにつれてあの甘い香りは強くなっていった。ルチルやヒースだけでなく心做しかネロやシノも辛そうだ
フィ「日も暮れてきたし、今日はこの辺にしておこうか。レノは大丈夫?」
レノ「はい、問題ありません」
フィ「ならルチルお願い、俺はヒースを運ぶよ。ネロとシノは自力で歩けるかい?」
ネロ「あぁ、」
シノ「問題ない」