第3章 隠された場所
晶「意外とすんなりいきましたね、ちょっと拍子抜けです」
フィ「うん、こんな辺境だしもっとめんどくさいと思ったけど本当に南の国みたいだな」
ヒース「取り敢えず、皆のことろに戻りましょう」
気が抜けたのかヒースも穏やかな口調で言った
元来た道を3人で戻る。
生暖かい風にのってなんだかふんわりとした甘い匂いがした気がした
シノ「どうだった、賢者」
晶「大丈夫そうでした。取り敢えず長に会ってみようという話になったので皆さんを呼びに」
ファ「随分早かったな」
フィ「うん、思ったよりもすんなり話が通じてね。ただ……少しなんとも言えない違和感を感じる。警戒はしておくべきかな」
フィガロが少し神妙な面持ちでいると先程の青年がこちらに走って来るのが見えた
若者「あっ、こちらにいらしたんですね。長には先に連絡を入れておいたので大丈夫ですよ。案内しますね、ついて来て下さい」
晶「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」
またふんわりと甘い香りがした
ルチル「っ、あ」
青年について歩いているとミチルがフラリとよろけた
それを咄嗟に隣にいたヒースが支えたがヒースもなんだかフラフラしていた
ミチル「兄様?大丈夫ですか?」
シノ「おい、ヒース。お前もフラフラしてるぞ、大丈夫か?」
2人を心配し取り敢えず足を止めた、青年には少し先で待っててもらう
晶「気温差に耐えられなかったんでしょうか……2人とも大丈夫ですか?」
ルチル「えぇ、大丈夫です……っ」
そうは言うものの2人とも若干顔が赤い気がする
フィ「2人とも今どんな感じ?」
ルチル「えっと……なんだか、頭がぼーっとするというか、ドロドロする感じで」
ヒース「俺も同じです」
フィガロは聴診器をつけ2人の身体にあてた
フィ「うーん、少し脈が早いね……いつから?」
ヒース「歩いている時に、です。」
フィ「思い当たる節は?」
ヒース「いえ……あっ、そう言えば甘い匂いが」
フィ「甘い匂い?」
ルチル「私も、甘くていい匂いだなって思ったら、頭がぼーっとしてきて」
晶「確かにさっきからたまに甘い匂いが流れてきてますよね」
ミチル「甘い匂い……?しますか?」
シノ「いや、俺は何も感じなかった」