第3章 隠された場所
フィ「ポッシデオ」
フィガロが呪文を唱えると目の前の1部の森の景色がぐにゃりと曲がりそこから森とは違った色味の道と畑が少し見えた
そのままフィガロが入っていくと晶や他の魔法使いも続いて入って行った
ミチル「うわぁ、凄い……さっきとは全然違う景色ですね」
ルチル「ポカポカしていて、なんだか南の国みたいですね」
先程まで肌を刺すような冷たい空気だったのが一変して、柔らかい太陽がさしポカポカとしたとても心地の良い空気になっていた
畑に様々な作物がありポツポツと家がたっていた
離れたところで5人ほどの若者が農作業をしているのが見える
若者達は遠くにいる晶達に気付いていないのかせっせと楽しそうに働いている
晶「大人数で行ったら驚かせてしまうかもしれませんし、ここは僕が行ってきますね」
フィ「あ、まって賢者様だけだと危ないから俺も行くよ。ヒースは着いておいで」
シノ「なんでヒースだけなんだ……俺も行く」
フィ「ずばぬけて顔がいいから」
ヒース「なっ……」
シノ「なるほど、分かった。ヒース行ってこい、俺はここで待ってる」
ヒースは渋々と言った様子で前を歩く2人について行く
だいぶ近付いたからか若者達も晶達に気付いた様だった
晶「あの、すみません。ここはミエーレ村であってますか?」
5人いるうち穏やかそうな青年に話かけてみる
若者「ええ、合ってますよ。こんな田舎に人が来るなんて珍しいですね、何か用事でも?」
人が消えるという怪奇現象が起こっている村の割にはなんだか穏やかな雰囲気を感じた、外部の人への警戒心も東の国にしては少ない
晶「実はミエーレ村の方からご依頼を受けて来たのですが」
若者「依頼……あっ、もしかして賢者の魔法使い様達ですか?」
晶「はい、依頼の件についてご存知でしたか?」
若者「そうですね、詳しいことは俺達には分かりませんが取り敢えず長に会ってみてはどうでしょうか。賢者の魔法使いについて知っていたのも依頼を出して下さったのも長ですからね」
晶「そうなんですね。あと数人魔法使い達が居るのですがこちらに呼んでも大丈夫ですか?」
若者「多分大丈夫だと思いますよ。道具を片付けてくるので少し待っていて下さい」
そう言って青年は持っていた道具を仕舞いに行った