第3章 隠された場所
どうやらシノとミチルは甘い匂いを感じてないようだった
ファ「甘い匂いか……確かに言われてみればするな」
晶「これ、なんの匂いなんですかね?嫌な匂いじゃないんですけどなんだがゾワゾワします」
フィガロは何か思い当たる節があるのか少し考え込んでいた
フィ「賢者様、ファウスト、レノちょっとこっちに。他のみんなは2人に水分取らせて休ませてて」
フィガロに手招きされた3人は他の魔法使いと離れたところに集まった
フィ「多分なんだけど、この匂い催淫効果かなんかがあるんだと思う」
ファ「催淫効果……なんでまたそんな香りがここに」
フィ「分からない……でも村中にうっすらとこの甘い匂いが広がってるみたいだね。今は大丈夫な子でもずっと吸ってると危ないかもしれない」
晶「ここまで来たからには引き返せませんし、早めに終わらせましょう」
フィ「そうだね、よし戻ろう」
フィ「おまたせ、2人とも大丈夫そう?」
ルチル「ご迷惑をおかけしてすみません……」
フィ「うーん……あんまり良くなさそうだね。ルチルはレノにおぶってもらいな、ヒースは……」
シノ「俺が運ぶ」
フィ「いや、ネロの方が良いかな。シノには何かあった時前線に出て欲しい」
シノ「……落とすなよ」
ネロ「安心しろ、落としたりなんかしねぇよ」
晶「すみません、お待たせして!長旅で疲れが出ちゃったみたいで……」
若者「それは、大変ですね。なら少し急ぎましょうか」
晶「えぇ、お願いします」
早めに長から話を聞いて早く休ませてあげよう
しばらく歩くと畑と家しか無かった所から少しすつ家が多くなり広場のような所が見えてきた
人の目も多くなり女性や子供の姿も見える
若者「ここです。ここに長が居ます」
そこには他の家より少し大きい位の建物が建っていた
玄関口で40代くらいの男性が待っている
男性「はじめまして、遠路遥々ようこそおいで下さいました。中で長がお待ちです。どうぞこちらへ」
案内されるがままに晶達は一室の広い部屋に通された
そこには寝たきりの状態になっている老人がいた
介助されようやく起き上がるとこちらを見て頭を下げた
晶もそれを見て軽く頭を下げた