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君想う

第2章 わかばが萌える


ちひろの働く実家の定食屋にも新しく大学生のアルバイトが入ってきた

「功くん、席が空いたから片付けて」
「はい!」

功と呼ばれる彼は仕事を覚えるのも早くテキパキとしていた
そして人懐っこかった

「ちひろさん、やっと落ち着きましたね」
「今日は忙しかったねー」

昼のピークも過ぎ店に落ち着きが出た頃、功はちひろに近づき肩の力を抜く

「疲れた?」
「大丈夫っす!」
「無理はしないでね!夜も入ってくれてるし学校のこともあって忙しいでしょ?」
「そうっすね、意外と大学生って課題も多くて」
「ははは、私もそれに挫折して辞めたのもあるなー」
「大学辞めちゃったんすか?」
「うん、親も歳だし手伝いしてたら追いつかなくなっちゃって」
「将来はちひろさんが店を継ぐんですか」
「いやーわかんないなぁ」

ちひろは実家を継ぐつもりではないが店がなくなると働き口がなくなる不安もあった

「誰かのお嫁さんになれればなぁ〜」
「ちひろさん彼氏いないんすか!?」
「この前別れちゃって」
「こんな綺麗な人なのに!」
「え、そんなことないよ〜」

年下の功のお世辞とも取れる発言に満更でもない様子のちひろ

「いや!綺麗で優しくて、ぶっちゃけ俺タイプっす」
「そんなぁ〜褒めても何も出ないよ〜」
「まじっすよ!」
「っ、よ、よーし!残り仕事片付けちゃおっか!」
「...はい」

褒められることに慣れないちひろは話を逸らし仕事に集中することにした


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