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君想う

第7章 季節は巡る


「おめでとうございます。今6週ですね」

ちひろはハッキリと現実を突きつけられた

「母子手帳は役所に行って...」

先生が説明をする中実弥になんて言おうか考える

その日実弥は来なかった




「実弥...」

私あなたの赤ちゃん妊娠したよ
嬉しいよ
でも、あなたはどう思うかな
実弥...



その日布団の中でちひろは泣いた

翌朝起きると実弥がベッドの横にいた

「さ、実弥!?」
「おまえなんで泣いてたんだ」

ちひろの目元を優しく指で擦り、不安そうに見つめてくる

「な、泣いて...た」
「見ればわかるよ」
「実弥はなんでここにいるの?」
「おまえがやっぱり心配だったから、出勤前に様子見に来たんだ」

朝早く家を出てわざわざ来てくれたのだ

「最近様子おかしいだろ」
「っ、そんなこと」
「あるぜぇ」

起き上がり実弥を見つめる

「私、実弥が好き」
「?あぁ」
「実弥は?」
「好きだぜ」

ちひろはぎゅっと実弥に抱きつく

「私、... ...妊娠したの」
「え、」
「6週だって」
「おまえ、それずっと一人で抱えてたのか?」

頷くと実弥は抱きしめる力を強くする

「ごめんな気付かなくて」

「不安、だったよな」

もう一度頷くと涙が出てくる

「産んでくれるか?」
「っ、うん」

実弥は少しだけ離れてちひろの額に自分のを合わせる

「結婚、してくれるか?」
「っ!!うん!」

ちひろは今まで不安だった気持ちが一気に溢れ出し頷くと共に涙がボロボロと溢れ出た

「愛してるよ」
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