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君想う

第7章 季節は巡る


ここ最近身体が怠い時感じるちひろは今日も店へと出勤する

「おつかれさまでーす」

疲れ気味に遅番で出勤すると先に来ていた功が心配そうにこちらを見ている

「大丈夫っすか?」
「んー怠いだけ」
「風邪ですか?季節の変わり目っすもんね」

そう言って功はちひろの額に手を当てて

「少し熱いっすね」

と裏方のちひろの両親の元へと向かう
暫くすると功が戻ってきた

「今日人足りてんで、休んで良いそうっす」
「え、でも」
「風邪は引き始めが肝心って言うでしょ?」

そう言われると何も言えなくなり、申し訳ないが休むことにした


家で寝てると実弥が仕事終わりに駆けつけてくれた

「生きてっかー?」

人を勝手に殺すなと思いながらも

「生きてまーす」

そう返す

「なんだよ、起き上がる元気あるのか」
「微熱程度だよ。無理するなって休ませてもらったの」
「そうか」

実弥は上着を脱ぎハンガーに掛けて台所へと向かう

「お粥、食べれるか?」
「んーあんまり食欲ないんだよね」
「少しは食ったほうがいいぜぇ」

すぐ作るから、と言って実弥がお粥を作ってくれた

「梅干し、つけといたぞ」
「買ってきてくれたんだぁ」
「おまえん家ねぇだろ」

よくわかっていらっしゃる
家であまり料理をしないちひろのことを理解して材料など買ってきてくれていた

「っあつ」
「バカ!ゆっくり食え」
「...ふーふーして?」
「自分でしろぉ」
「おねがぁい」

甘えた声で言ってみるが期待はしない
実弥がふーふーだなんて...

「ったく、貸せ」

ちひろのスプーンを奪い取りあの実弥がふーふーしてくれたのだ

「え、」
「ほら」

まさかのあーん付き

大人しくあーんと口を開けると少し冷えたお粥が口の中に入る

「ん、いい塩梅」
「だろ」

お粥が美味しく感じるなんてやっぱり身体弱ってたのかと思い知らされる

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