• テキストサイズ

君想う

第1章 桜ひらひら


「こんばんわー」

ガチャと扉を開くちひろ
そこは実弥と玄弥の家

「勝手に入ってくんなよ」
「だって鍵あけてくれてたでしょ?」
「おーちひろー!」
「玄弥ー!またでっかくなったねぇ」
「先週も会っただろ!そんなすぐデカくなんねぇよ」


ちひろはビールワンケース抱えもう片方の手にはデザートと酒のつまみを入れた袋を持ってやってきた

「女がビール抱えてくんなよ」
「兄貴いつものことだろ」
「あ!まだこたつあんだぁ」

部屋にあるこたつにササッと潜り込むちひろ

「今日はやけに寒かったーふぅあったかぁい」
「図々しいな」

先に入っていた玄弥にこたつの中で足を蹴られる

「いったぁい!」

玄弥もまた幼い頃から知っているので姉弟のような関係だった
実弥はグラスを用意し台所で適当に酒のつまみになりそうなものを用意する

「ほらほら早く乾杯しよーよー」
「何に乾杯すんだよ」
「ちひろがフラれた記念だろぉ」
「えー!またフラれたのかよ!」

ニヤリとする実弥とまたかよと驚く玄弥

「もぉーそれは昨日で終わったことなの!今日は玄弥がこの春から高3になるお祝いー」
「留年しなくてよかったなぁ」
「兄貴に助けられたぜぇ」

わいわいとしているうちに実弥もつまみを持ってこたつに入る

「んじゃかんぱーい!」

カチンとなるグラス
勿論玄弥はジュースだ

「玄弥は就職するの?」
「俺はそのつもりだけど...」
「だから金のことは気にするなって言ってるだろ。進学したいならそうすればいい」
「おにぃちゃんがそう言ってくれてるんだよ?」
「んー...」

玄弥は未だに進路を決めかねていたのだ


「まぁあたしも大学途中で辞めちゃって今は実家の定食屋で働いてるからアドバイスなんてできないけどねー」
「ちひろは全然参考になんねぇよ」
「言ったなクソガキ!」
「うわ!蹴るなよ!」
「てめーらこたつの中で暴れるなぁ!」
/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp